聖家族というと、なにか幸せな家庭のイメージが浮かんでくるでしょう?

イエス様のお父さんとお母さんのヨセフとマリアは

子供の育て方について同じ考え方で、夫婦の間もいつも仲の良いもので、

貧しくとも、親子三人にとって

貧しさなど大きな心配の種にはならなかった...などなど。

みなさんが聖書を読むとき、

このような理想的な聖家族を想像するのではないでしょうか?


しかし、実際に聖家族の家庭とあなたの家庭を比べると、

そんなに大きな違いはなかったと思います。

ヨセフは貧しい村の大工さんだったので、いつも仕事があるとは限らず、

わたしたちと同じように経済的な心配があったかもしれません。

マリアは、世の中のお母さんたちとあまり違わなかったでしょう。

ナザレ村の川で他の奥さんたちといっしょにおしゃべりしながら洗濯をしたり、

市場でお買い得品を探して家族のために買物をしていたでしょう。

マリアにとっても掃除などの家事が毎日の仕事でした。


マリアとヨセフもみなさんと同じように、子供にはいろいろ心配がありました。

かつてイエスの安全のために外国であるエジプトに移住したこともありました。

みなさんのご家庭にもお子さんに関して大変なご苦労があるかもしれません。

ある時、エルサレムの祭りに家族で出かけ、

帰ってきた時イエスの姿がありませんでした。

もちろんマリアとヨセフは、イエスがどこに行ったのか心配して探しました。

やっとイエスを見つけても彼らにはイエスの言っていることがわかりませんでした。

両親には子供であるイエスの言っていることが理解できなかったのです。

現代の親にとっても同じようなことがあるでしょう?

「わたしにはあの子がわかりません。」

などという言葉をよく聞きます。


私たちが聖家族になるためには何が必要か、

聖パウロはコロサイへの手紙に書きました。

「あわれみの心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身につけなさい。

 互いに忍びあい、責めるべきことがあっても許しあいなさい。

主があなたがたを許してくださったように、

あなたがたも同じようにしなさい。

これらすべてに加えて愛を身につけなさい。」


ご自分の家族を聖家族に変えたいならば、

必要なものは、

あわれみ、慈愛、謙遜、柔和、寛容、お互いの忍びあい、お互いの許しあい。


聖家族、幸福な家族を作るのは、お母さんだけの責任ではありません。

お父さんだけの責任ではありません。

子供だけの責任ではありません。

家族みんなの責任です。


神様がわたしたちに対して持っておられる愛を思い出しましょう。

「神はひとり子を与えるほどこの世を愛しました。」

イエスの私たちに対する愛を思い出しましょう。

イエスはわたしたちを愛しておられるから自分の命を捧げました。


家族の中でもこのような愛が必要です。

家族のために自分を犠牲にする愛。

自分の時間、自分の意見、自分の才能、などなど。


聖家族であるマリア、ヨセフ、イエスに祈りましょう。

わたしたちの家族も聖家族になりますように。

そして、マリア、ヨセフ、イエスに習いましょう。

わたしたちの家族が聖家族になりますように...


                                     マホニ神父